もしも自分が保有する仮想通貨(暗号資産)を引き出せなかったらどうしますか?
「そんなことあるわけない!」
「まさか自分がそんな目に遭うことはないだろう…」
そんなふうに油断していませんか?
ところが、独立行政法人 国民生活センターによると、2021年4月以降、仮想通貨(暗号資産)に関するトラブルの相談は年間数千件にものぼることが発表されています。
国民生活センターへ寄せられた仮想通貨(暗号資産)に関するトラブル相談件数
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
---|---|---|---|
2,910件 | 3,455件 | 2,801件 | 3,337件 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|
6,381件 | 5,623件 | 8,466件 |
本記事では、仮想通貨が引き出せない時の対処法や注意点、リスク回避の手段について詳しく解説していきます。
- 仮想通貨が引き出せない場合の対処法を知りたい
- どんな場合に仮想通貨が引き出せなくなるのか、リスクを知りたい
- 仮想通貨を安全に保管する方法を知りたい
<執筆者経歴>
- 大手インターネット金融グループへ入社後、勤務歴20年
- 営業部長→事業統括部長→事業管掌取締役を経て、現在はおもに金融に関連する記事を執筆
- 金融資産投資歴20年超、仮想通貨(暗号資産)投資歴8年超
<保有資格>
FP技能検定2級、日商簿記2級、宅地建物取引主任者試験合格、他
※本記事の一部において「暗号資産」を「仮想通貨」と表記しています。
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仮想通貨が引き出せない原因とは?
仮想通貨の引き出しができない原因としては、いくつかのケースが考えられます。早急な対応が求められる場合も少なくありませんが、ユーザーは冷静に対応策を講じることが重要です。
以下に仮想通貨が引き出せない原因の一例をご紹介しましょう。
原因1:ユーザーの操作に起因する問題
原因として考えられる1つめは、ユーザー自身の操作ミスや設定漏れです。
パスワード誤入力によるアカウントロック、多段階認証の設定ミス、利用端末変更時のデータ引継ぎの失敗など、ユーザー側の操作ミスが原因で出金できないケースも少なくありません。
さらに近年では、仮想通貨取引所の多くがセキュリティ対策を強化しています。たとえば、本人確認の厳正化や多要素認証によるセキュリティ対策の強化です。これらの手続きや設定が正しく完了していないと、取引が制限されることがほとんどです。
ほかにも、取引所が定める約款や規約変更に対する同意、法改正に対する理解への同意・承諾が未完了の場合に、取引が制限されるケースもあります。
まずは、自分が利用する仮想通貨取引所の登録設定が正しく完了されているか確認することが第一歩です。
原因2:仮想通貨取引所の技術的な理由
仮想通貨取引所側の都合で一時的に通貨の引き出しが制限されるケースも考えられます。
通常あり得るのは取引所の定期メンテナンスです。
また定期メンテナンスほど頻度は高くないものの、発生する可能性があるものとしては、サーバーダウン等のシステム障害に起因する臨時メンテナンスです。急なメンテナンスが実施された場合、予期せず通貨の引き出しが一時的に制限されることがあります。
このように、そもそも取引所にアクセスできなくなれば、数時間にわたり通貨の引き落としができない事態に陥るのです。
原因3:仮想通貨取引所のトラブル
仮想通貨取引所が大規模なトラブルに見舞われた場合には、長時間にわたり通貨の引き出しが不可能になる場合があります。最も分かりやすい例で言えば、取引所に対するハッキング攻撃です。
取引所がハッカーからハッキング攻撃を仕掛けられた結果、盗難被害に遭う事件が数年おきに発生しています。
近年で記憶に新しいのは、2024年5月31日に発生した、DMM Bitcoinにおけるビットコインの盗難被害でしょう。
2024年5月31日に発生したDMM Bitcoinにおけるビットコインの盗難被害では、ハッキングによる盗難が発覚した直後、一時的にユーザーによる出金、新規アカウント開設、新規スポット買い注文、および新規レバレッジ注文が停止されました(同社はユーザーに対しすべての資産を全額補償しています)。
さらに、海外の取引所に投資したケースで、投資資金が戻らずにトラブルに発展した事例もあります。
規制強化等で取引所の安全性は以前よりも格段に高まっているとはいえ、ユーザー自身においても保有資産を守るための対策が必要です。
原因4:市場の急激な相場変動
特殊要因により仮想通貨相場が急激に変動した場合、仮想通貨取引所が市場の安定性を保つことを目的として、一時的に取引を停止したケースが実際に存在します。
過去の事例を挙げれば、2020年3月に新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、ビットコイン(BTC)価格が急落したケースです。
コロナショックといわれるパンデミックにより、実際どのようにビットコイン(BTC)の相場は急落したのでしょうか?
以下の表をご覧ください。
WHO(世界保健機関)がパンデミック宣言後のビットコイン価格の推移
BTC価格 | |
---|---|
2020年2月12日(終値) | 113万円台 |
2020年3月12日(始値) | 83万円台 |
2020年3月12日(終値) | 52万円台 |
2020年3月12日未明(日本時間)、WHO(世界保健機関)がCOVID-19によるパンデミックを宣言すると、ビットコイン(BTC)は約1カ月前の半値以下になるまで急落しました。これを受け、いくつかの暗号資産交換所は市場の混乱を避けるために取引を一時停止する措置をとりました。
このように、急激な相場変動に端を発して、仮想通貨の取引が停止される事態も想定されるのです。
さらに加えると、特定の通貨によっては、流動性が不足した場合に仮想通貨取引所が取引を一時的に制限するようなケースもあるため注意が必要です。
仮想通貨が引き出せない場合の対処法
仮想通貨取引所の登録内容に間違いや漏れがないのにも関わらず、それでも通貨の引き出しができない場合は、以下の手段を検討しましょう。
対処法1:取引所の公式リリースをチェック
まずは仮想通貨取引所の公式リリースをチェックしましょう。
国内仮想通貨取引所の代表格である、コインチェック
対処法2:サポートへの問い合わせ
仮想通貨取引所の運営各社は、かならずサポート窓口を用意しています。お問い合わせフォームからの問い合わせだけでなく、FAQやAIチャットツールを提供する取引所がほとんどです。
例えば、SBI VCトレードではチャットボットと有人チャットの両方に対応したチャットツールで手軽に質問することができます。
対処法3:相談窓口の利用
取引所のサポート窓口で解決できない場合には、仮想通貨の自主規制団体である日本暗号資産取引業協会や消費者保護をサポートする国民生活センターといった専門の相談窓口を利用しましょう。
ただし、海外の取引所のように規制団体や日本国内法が及ばないケースでは、第三者からのサポートを受けるのが困難な場合も考えられます。深刻な事態に陥った場合には、弁護士等に法律相談しなければならないケースもあるでしょう。
引き出せないトラブルを未然に防ぐ方法
01:信頼性の高い取引所の利用
仮想通貨取引において最も重要であるといえるのが、信頼性の高い取引所を利用することです。では、信頼性の高い取引所とは具体的に何をもって判断すれば良いのでしょうか?
その答えが、金融庁に暗号資産交換業者として登録されているか否か?を確認することです。加えて、自主規制団体への加盟有無についても確認しておきましょう。
なぜなら、金融庁や自主規制団体はさまざまなルールや監査基準を義務付けており、これらの厳しい基準をクリアした取引所だけが認可されるからです。仮想通貨取引ユーザーにとって、第三者機関がお墨付きを与えた取引所で取引することが安全性・信頼性を最低限担保することにつながるのです。
一方、海外の取引所は日本国内で認可されていないケースがありますので、よく調べてから口座開設しましょう。
初心者のうちは、まずは日本国内の認可済み取引所で取引に慣れていくことがおすすめです。
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02:セキュリティ対策の強化
たとえ信頼性の高い取引所を利用していたとしても、ユーザー自身のセキュリティ対策に不備があれば意味がありません。
利用するPCやモバイル端末のバージョン更新、最新のセキュリティソフトの利用、多段階認証の設定による厳重なパスワード管理など、自分の身の回りのセキュリティ対策を強化・徹底しましょう。
03:利用する取引所の分散化
残念ながら、金融庁に登録済みの暗号資産交換所でさえ、ハッキングによる盗難被害の事例が存在します。
仮想通貨取引において、自分自身の資産を守るための自己防衛は不可欠です。その自己防衛の1つの手段として有効なのが、利用する取引所の分散化です。
仮に1つの取引所だけを利用してその取引所ウォレットに全資産を預けていた場合、万が一ハッキングによる盗難被害に遭ってしまえば、盗まれた資産を取り戻せる保証は完全ではありません。
そこで、利用する取引所を分散化して1つ取引所ウォレットに預ける資産を小さくするのです。ほとんどの仮想通貨取引所において口座維持手数料はかかりません。そして、口座開設は即日完了するのですぐに対策できます。
リスク分散のために別の仮想通貨取引所の口座開設を今すぐ検討しましょう。
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仮想通貨取引に関する詐欺に注意
自分の全財産を失ってしまうおそれのある、仮想通貨を悪用した詐欺にも注意しましょう。
近年では、仮想通貨の匿名性を悪用して追跡を困難にする詐欺が横行してしています。以下に具体例をご紹介します。
偽サイト・偽アプリ
取引所の公式サイトや公式アプリと似たような名前のアプリを配布し、個人情報を盗み出す詐欺です。信頼できる取引所とそっくりに偽装したウェブサイトで、ユーザーに仮想通貨を預けさせ、そのまま持ち逃げする手法も存在します。
特にアプリを利用する際には、正しい発行元からリリースされているかを確認することが重要です。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、偽のウェブサイトやメールを使用して、ユーザーのログイン情報や秘密鍵を盗む手口のことです。見た目は本物の取引所やウォレットサービスとそっくりなため、詐欺だと見抜くのが難しい点が特徴です。
偽メールやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使って著名人や有名企業になりすまし、仮想通貨のプレゼントを餌に個人情報を盗み出したり、取引所やウォレットのログイン情報を聞き出そうとしたりする手法も存在します。
ICO詐欺
ICO詐欺とは、新しい仮想通貨の発行や新規プロジェクトに向けた資金を募るICOを装い、実際には存在しないプロジェクトに投資させる詐欺のことです。集めた資金は詐欺師によって持ち逃げされてしまいます。
ICOとは「Initial Coin Offering」の略称で、トークン発行を通じてトークン購入者からプロジェクトの資金を調達する方法です。
ポンジ・スキーム
ポンジ・スキームとは、高利回りをうたって投資を募り、多額のお金をだまし取る詐欺を指します。新規投資者から集めた資金を既存の投資者に配当として支払う手法で、新規投資が途絶えると破綻する仕組みです。
ロマンス詐欺
ロマンス詐欺とは、マッチングアプリのようなデートアプリやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などで知り合った相手から、仮想通貨投資を勧められお金をだまし取られる詐欺のことです。
まとめ
仮想通貨の引き出しができない問題には、さまざまな要因が考えられます。
取引の際には、まず自分が利用する取引所の設定に誤りがないか確かめることから始めましょう。
万が一、仮想通貨取引所のトラブルに遭遇してしまった場合には、ニュース発表や公式アナウンスを確認し、必要な手続きを冷静に行うことが重要です。
信頼できる取引所を選び、セキュリティ対策を徹底しながら自己防衛することが、仮想通貨の安全な取引にもっとも大切なことです。
その際に有効な手段の1つとなるのが、利用する仮想通貨取引所を複数口座開設して、保有する資産を分散させることです。例えば、コインチェック
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- 仮想通貨の引き出しができない理由は、取引ユーザーのミスや取引所のトラブルが考えられる
- 万が一、仮想通貨が引き出せない状況になっても、落ち着いて公式リリースを確認すること
- 仮想通貨に関連する詐欺にも注意が必要
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