ステーブルコインとは?日本で買える種類や購入方法を解説

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ステーブルコインとは、価格の安定性を追求した仮想通貨(暗号資産)です。

ドルや円などの法定通貨や金などの現物資産などに価格が連動する点が特徴で、仮想通貨にありがちな急激な価格変動を抑えるように設計されています。

本記事では、以下の疑問やお悩みを解決します!

この記事で解決できるお悩み
  • ステーブルコインの意味や特徴を手っ取り早く知りたい!
  • 日本国内でステーブルコインを手に入れる方法は?
  • 初心者でもステーブルコインを安全に購入する方法が知りたい!

ステーブルコインの基礎知識から、日本国内で取引可能なステーブルコインの種類や購入方法まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください!

本記事の執筆者
記事を書いた人
執筆者:やすぎ

<執筆者経歴>

  • 大手インターネット金融グループへ入社後、勤務歴20年
  • 営業部長→事業統括部長→事業管掌取締役を経て、現在は金融や会計、マーケティングに関連する記事を執筆
  • 金融資産投資歴20年超、暗号資産投資歴10年超

<保有資格>
FP技能検定2級、日商簿記2級、宅建取引主任者、他

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目次

ステーブルコインの基礎知識

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まずは「ステーブルコインとは何か?」について、手っ取り早く押さえましょう。ここでは、ステーブルコインの意味メリットビットコインとの違いについて解説します。

ステーブルコインとは?

ステーブルコインとは、法定通貨や現物資産などに価値が連動する仮想通貨のひとつです。

価格変動が大きいビットコインイーサリアムといった仮想通貨とは異なり、価格の安定性を重視した仮想通貨として注目が高まっています。

ステーブルコインの価格が安定する理由

ステーブルコインの価格安定性が高い理由は、ステーブルコインが法定通貨や現物資産などの価値を担保にしているためです。

たとえば、信頼性の高いアメリカドルや、金(ゴールド)価格にステーブルコインの価値が連動することで、価格の安定性が高まるのです。

ステーブルコインは、法定通貨の安定性ブロックチェーンの利便性を良いとこ取りした仮想通貨といえるでしょう。

ステーブルコイン3つのメリット

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ステーブルコインには、おもに3つのメリットがあげられます。以下で詳しく見てみましょう。

メリット1:価格安定性による実用性の向上

ステーブルコインは、仮想通貨(暗号資産)特有の大きな価格変動を避ける安定性を有しているため、仮想通貨の実用性向上が期待されています。

なぜなら、米ドルなどのように価値(価格)が安定すれば、商取引の安全性が高まるとともに、安定した資産価値の保全が担保されやすくなるためです。

ビットコインイーサリアムなどの仮想通貨は、他の資産と比べて価格変動が大きく、日常的な決済や資産価値の保存手段としては利用しづらい点が課題とされます。

この課題解決に期待されるのが、ステーブルコインなのです。

メリット2:国際送金が簡単で低コスト

金融機関を通じた国際送金と比べ、ステーブルコインを使った送金は手続きが簡単で、手数料も低く抑えられます

銀行のような従来型の金融機関からの国際送金は、送金手数料が高いことに加え、送金相手への着金までに数日かかることが通常でした。

一方、ブロックチェーン技術を活用したステーブルコインなら、海外への送金を低コストかつスピーディーに行えます。

メリット3:資産の保全に役立つ

価格の安定性が高いという特徴から、ステーブルコインは資産の保全手段としても活用されています。

具体的には、仮想通貨の価格変動リスクを避けたい投資者が、ビットコインアルトコインから一時的にステーブルコインに資産を移すことで、急激な価格変動リスクを回避するようなケースです。

価格安定性を有するステーブルコインは、価格変動リスクを回避しながら資産を保管する手段として活用できるのです。

ステーブルコインとビットコインの違い

ステーブルコインとビットコインは、どちらも仮想通貨(暗号資産)ですが、その性質と用途に大きな違いがあります。

先述したように、ステーブルコインは価格が安定しているため、商取引の決済資産保全に適しています。一方、ビットコインは需要と供給によって価格が大きく変動することから、従来は投機的な性格が強いといわれてきました。

また、ブロックチェーン技術の先駆けとして広く認知されているビットコインは、発行量に上限が設定されていることから「デジタルゴールド」とも呼ばれ、需要が供給を上回ることでさらなる価格上昇が期待されています。

以上のように、決済手段としての用途ならば安定性の高いステーブルコインが適しており、値上がり益を狙うならばビットコインの方がチャンスは拡がるといえるでしょう。

日本国内におけるステーブルコインの法的な位置付けは?

2023年6月施行の改正資金決済法により、ステーブルコインに関する制度が整備されました。これを契機に、日本国内におけるステーブルコインは、法規制のもとで取り扱われるデジタル資産として、徐々に位置付けが明確化されています。(2025年1月時点では、同法の適用を受けるステーブルコインは存在しません。)

改正資金決済法においてステーブルコインは、「法定通貨に価値が裏付けられ、価格が安定されるように設計されたデジタル資産」として位置づけられました。

すなわち、後述する法定通貨担保型が電子決済手段としてのデジタル通貨と認められたのです。一方、暗号資産担保型は、電子決済手段の対象外とされています。

また、ステーブルコインの発行体や仲介業者には、顧客資産の安全性を高めるための適切な保全措置や、マネーロンダリングを防止するための透明性の確保が求められています。

初心者が安心してステーブルコインを利用するには、国内規制に準拠したサービスを選ぶことが重要といえます。

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ステーブルコインの3つのタイプ

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ここでは、代表的なステーブルコインのタイプを解説します。ステーブルコインとタイプとは、「価格の安定性を図るために、どのような資産価値と連動(担保)させているか?」を指します。

具体的には以下の3つです。

ステーブルコインの3つのタイプ
  • 法定通貨担保型
  • 暗号資産担保型
  • 無担保型(アルゴリズム型)

以下で詳しくみていきましょう。

法定通貨担保型

法定通貨担保型は、米ドルや日本円などの法定通貨を担保に発行されるステーブルコインです。1枚のコインが1ドルや1円と等価であることが保証されています。

代表例として、後述するUSDT(テザー)USDC(USDコイン)JPYCが挙げられます。法定通貨担保型のメリットは、価格の安定性信頼性です。

一方で、発行者の信頼性や発行体の資産の保全状況により担保が機能しないリスクもあります。

暗号資産担保型

暗号資産担保型は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を担保として発行されます。

暗号資産を担保とする場合、担保比率は発行量と同額では不十分といえます。なぜなら、法定通貨と異なり、暗号資産はボラティリティが高い(価格変動が大きい)ため、暗号資産の価格が下落した場合、担保割れのリスクがあるからです。

暗号資産担保型の代表例には、DAI(ダイ)という発行体をもたない分散型のステーブルコインがあります。DAIは、当初はイーサリアムを担保にするステーブルコインでした。その後、2019年11月以降は複数資産担保型へ移行しています。仮にイーサリアムが暴落した場合でも、連動してDAIも暴落してしまうリスクを減らしているのです。

無担保型(アルゴリズム型)

無担保型は、アルゴリズムを利用して供給量を調整することで価格を安定させる仕組みのステーブルコインです。

担保が設定されないアルゴリズム型ステーブルコインは、価格コントロールをアルゴリズムに頼るしかありません。

代表例として、かつて注目を集めたUST(TerraUSD)があります。しかし、価格維持の仕組みが複雑であり、過去には大規模な価格崩壊が発生した事例もあります。このため、無担保型はとくに初心者にはリスクが高いとされています。

ステーブルコインの代表例5つ

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ここまで読み進めれば、ステーブルコインの基礎知識は十分理解できたといえます。

本章では、代表的なステーブルコインの特徴や用途を紹介しましょう。

ステーブルコインの代表例5つ
  • USDT(テザー)
  • USDC(USDコイン)
  • DAI(ダイ)
  • PYUSD(ペイパルUSD)
  • JPYC

USDT(テザー)

香港で設立されたテザー(Tether Limited)社が発行するUSDTは、もっとも広く利用されている法定通貨担保型のステーブルコインです。

世界初のステーブルコインとして発行されたUSTDは、米ドルに1:1で価値が連動し、取引量が非常に多いことが特徴。USDTの流通時価総額は1,400億ドル(約22兆円)にものぼります。(2025年1月時点)

おもに海外取引所でのトレードや送金手段として活用されており、2025年1月時点で日本国内の取引所での取り扱いはありません。

USDC(USDコイン)

サークル(Circle Internet Financial, LLC)社と大手取引所コインベースによって共同発行されたUSDCは、世界第2位の流通量を誇るステーブルコインです。流通時価総額は、2025年1月時点で約415億ドル(約6.5兆円)となっています。

USDT(テザー)と同様、原則米ドルと1:1で連動する法定通貨担保型の仮想通貨(暗号資産)です。USDC保有者保護のため、サークル社の運営資金とUSDCの準備金は分別管理されていることから、安全性に対する高評価につながっています。

DAI(ダイ)

DAI(ダイ)暗号資産担保型のステーブルコインで、イーサリアムや他の暗号資産を担保に発行されます。ユーザーが担保をロックすることで新しくDAIを発行でき、担保を返却するときにDAIを返却する仕組みです。価格は米ドルに連動します。

DAIの最大の特徴は、中央集権的な管理者がいないことです。「MakerDAO(メーカーダオ)」という分散型自治組織(DAO)が運営しています。

USDT(テザー)USDC(USDコイン)PYUSD(ペイパルUSD)とは異なり、以下のような特徴があります。

・発行元企業が存在せず透明性が高い
・ブロックチェーン技術を活用してアルゴリズムと担保資産で価値の安定を目指している
・米ドルなどの法定通貨の準備金がない
・担保に預けた暗号資産の価格が下がると、担保不足で清算される可能性がある

PYUSD(ペイパルUSD)

オンライン決済サービスを世界展開する米ペイパル社は、2023年にPYUSD(ペイパルUSD)をリリースしました。PYUSDは、ペイパル社が独自に発行する米ドル連動型のステーブルコインです。2024年12月時点で5.7億ドル(約900億円)の時価総額をもち、個人間決済だけでなく、法人間の決済取引にも利用できます。

JPYC

JPYCは、米サークル(Circle)社が出資するJPYC株式会社が発行する、日本円に価値を連動させた仮想通貨(暗号資産)です。日本円の価値と1:1で交換できることを目指しており、価格変動リスクを避けながら、日本円の価値に連動したブロックチェーン技術を活用できます。

JPYCは日本円に連動しているため、他の大手ステーブルコイン(USDTやUSDC)のようにグローバルに広く流通しづらいことが難点で、流動性の面が課題となるでしょう。

日本国内で購入可能なステーブルコインは?

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日本国内で認可を受けた仮想通貨(暗号資産)取引所で入手可能なステーブルコインは以下の通りです。仮想通貨取引所に口座開設すれば、初心者でも少額から購入できるため、まずは取引所の口座開設から始めましょう

ステーブルコイン銘柄購入可能な国内取引所
USDT(テザー)なし
USDC(USDコイン)なし
SBI VCトレードが2025年春以降に提供予定
DAI(ダイ)コインチェック
SBI VCトレード
GMOコイン
・bitFlyer(ビットフライヤー)、ほか
PYUSD(ペイパルUSD)なし
JPYC・JPYC

ステーブルコインの購入方法

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ここでは、日本国内でステーブルコインを購入する方法をわかりやすく解説しましょう。ステーブルコインは、以下の3ステップで簡単に購入できます。

以下で詳しく解説します。

STEP1:仮想通貨(暗号資産)取引所の口座開設

ステーブルコインを入手するためには、仮想通貨取引所の口座開設が必須となります。

はじめての口座開設ならコインチェックがオススメです。なぜなら、スマートフォン画面が見やすく取引時も簡単な操作で仮想通貨を売買できるからです。スマートフォンを使えば最短5分で口座開設できます。いますぐ口座開設しておきましょう。

なお、口座開設の際には本人確認が必要ですから、運転免許証マイナンバーカードを手元に用意しておくと楽ちんです。

仮想通貨(暗号資産)取引所の口座開設の手順は、以下の記事でわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください!

【関連記事】【初心者必見】初めてでもすぐできる!仮想通貨の購入方法を解説

STEP2:日本円の入金

取引所の口座開設が済んだら、日本円を入金しましょう。以下に、代表的な仮想通貨取引所の日本円の入金方法を紹介します。

取引所名入金方法
コインチェック・銀行振込
・クイック入金(ペイジー決済)
・コンビニ入金
bitbank(ビットバンク)・銀行振込
SBI VCトレード・クイック入金(ペイジー決済)
BITPOINT(ビットポイント)・銀行振込
・即時入金(提携金融機関のみ)
GMOコイン・銀行振込
・クイック入金(ペイジー決済)

入金方法のオススメは、振込手数料無料の銀行からの銀行振込です。実際のスマホ操作画面を使って、コインチェックで日本円を入金する手順を紹介します。

1.コインチェックのスマホアプリから、振込先銀行口座を確認

日本円の入金先口座情報は、コインチェックのスマホアプリからすぐに確認できます。

コインチェックのスマホアプリを起動して、[日本円を入金]をタップします。続いて、「入金方法の選択」画面から[銀行振込]をタップ。

日本円の振込先を確認して、以下の振込み手続きへ進みます。

2.手数料無料の銀行口座からコインチェックの入金口座へ銀行振込

ここでは、振込手数料無料*でお得な住信SBIネット銀行のスマホアプリから、STEP1で確認したコインチェックの口座へ振込手続きを進めます。(*取引条件により無料回数が決定します。)
振込手数料が無料の銀行を利用すれば、仮想通貨購入に必要な日本円の入金手数料はかかりません

コインチェックアプリで日本円の振込先口座情報を確認したら(画面左下)、住信SBIネット銀行のスマホアプリを開き、[振込・送金]をタップします(画面右下)。

住信SBIネット銀行アプリの「振込・送金」メニューから、振込手続きを行います。[新しい振込先に振込する]をタップしてコインチェックの振込先情報を登録します。コインチェックの場合、「GMOあおぞらネット銀行」宛に振り込みを指定すれば、即時入金が可能です

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振込金額を指定して振り込みm先口座情報に間違いがないことを確認のうえ、振込を実行します。住信SBIネット銀行からGMOあおぞらネット銀行へ振り込めば、振込手数料無料*であっという間にコインチェックへ日本円を入金できます。(*取引条件により無料回数が決定します。)

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3.ステーブルコインの購入

国内取引所で購入できるステーブルコインは、2015年1月時点ではDAI(ダイ)のみです。

コインチェックを例にすれば、DAI(ダイ)は販売所で購入できず取引所でのみ購入可能。以下は、コインチェックの取引所画面です。取引する仮想通貨の種類をプルダウンから選択する際、取引所でDAI(ダイ)を選択すれば購入可能できます。

なお、取引所と販売所の違いについては、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。

【参考記事】「販売所」と「取引所」どっちがおすすめ?仮想通貨の取引形式の違い

ステーブルコイン購入時の注意点

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上述したように、仮想通貨取引所の口座開設さえ済んでいれば、初心者でも簡単にステーブルコインを購入できます。ただし、ステーブルコインを購入する際には次の点に注意しましょう。

金融庁に登録済みの取引所を利用する

日本でステーブルコインを購入する場合、まずは信頼性のある取引所を選ぶことが大切です。金融庁に登録された取引所は、一定の規制と監視のもとで運営されており、安全性が高いとされています。

たとえば、コインチェックBITPOINT仮想通貨取引所『SBIVC』口座開設プロモーションなど、日本の大手取引所は金融庁の認可を受けているため、安心して取引を行うことができます。

また、これらの取引所は日本語でのサポートがあり、万が一のトラブル時にも対応がしやすい点が魅力です。

事前に「取引手数料」を確認する

仮想通貨の購入には、仮想通貨取引所に対する手数料が発生します。手数料は取引所ごとに違いがありますので、できるだけ手数料が安い取引所を利用するのが大切です。

手数料については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【関連記事】知らなきゃ損する?! 仮想通貨の「取引手数料」は超重要!

取引所取引と販売所取引の違いを理解する

仮想通貨の購入には「取引所取引」と「販売所取引」の2つの取引形態があります。この2つの違いをあらかじめ理解しておきましょう。通常、「取引所取引」の方が手数料は安いことがほとんどです。

取引所取引」と「販売所取引」については以下の記事でわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【関連記事】「販売所」と「取引所」どっちがおすすめ?仮想通貨の取引形式の違い

ステーブルコインのリスクは?

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ステーブルコインを購入する際にはリスクに対する正しい理解が重要です。信頼性の高い発行体や取引所を選び、分散投資でリスクを軽減しましょう。

以下は、ステーブルコインの取引で想定されるリスクの一例です。

発行体の信用リスク

ステーブルコインの価値は、その裏付けとなる資産や発行体の信用に依存します。

たとえば、USDT(テザー)は法定通貨に連動する設計ですが、裏付け資産となる米ドル準備金の透明性に関して疑義を指摘された過去があります。その指摘を受けたのち、テザー社は十分な対策を実施していることを発表しました。

発行体が十分な資産を保有していない場合、価値が急落するリスクがあるため、発行体の信用性が重要です。

セキュリティのリスク

ステーブルコインの取引時には、ハッキングによる盗難に十分な注意が必要です。これは仮想通貨全体に対するリスクといえます。

とくに、取引所にステーブルコインを保管している場合、不正アクセスやセキュリティの不備により資産を失うリスクは完全に取り去ることはできません。コールドウォレットを活用するなど、自分の資産を自分で守る姿勢が欠かせません。

仮想通貨ウォレットについて詳しくは、以下の記事をぜひご覧ください。

【関連記事】暗号資産は自分で守る!盗難から身を守るための「ウォレット」とは?

法規制の変更リスク

日本国内でも暗号資産に関する規制が強化されており、今後の法制度の改正によってはステーブルコインの利用や取引に影響を与える可能性があります。

たとえば、仮に海外で発行されたステーブルコインが日本国内で規制対象となった場合、取引が制限されることもあります。そのため、法規制の動向を常に把握しておくことが重要です。

価格連動性のリスク

ステーブルコインは法定通貨や金などの資産に価値を連動させていますが、市場環境の変化や需給バランスの影響で、一時的に価格が乖離するおそれがあります。とくにアルゴリズム型ステーブルコインは、価値安定の仕組みが破綻すると大幅な価格変動が起こることがあるため注意が必要です。

2022年5月には、テラ・ショックと呼ばれるTerraUSD(UST)の価格暴落が発生しました。
テラUSD(UST)は、ルナ(LUNA)という仮想通貨とのプログラムによる需給調整により米ドルにペッグする無担保型のステーブルコインです。しかし、同年5月9日以降、米ドルとのペッグが困難となり、5月12日には価格が0.1ドル台までに暴落。仮想通貨市場の全面安に展開する事態を引き起こしました。

ペッグとは?

ペッグとは、ステーブルコインが別の資産(たとえば、法定通貨や金など)の価格レートに連動する仕組みのことです。ペッグされた資産は、安定性を保つため価格が一定のレート内で変動するように調整されます。

ステーブルコインの将来性は?

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ステーブルコインは今後拡大が期待され、総じて将来性は有望といえるでしょう。ただし将来性には、ポジティブ面とネガティブ面の両方あることも事実です。以下で詳しくみていきましょう。

金融サービスのグローバル化に貢献

ステーブルコインは、金融サービスのグローバル化に大きな影響を与える可能性があります。

なぜならステーブルコインは、従来の金融機関に頼らずに、送金手続きを即時かつ低コストで行えるからです。従来の金融システムでは、国境を越えた送金や決済には高い手数料や長い処理時間がかかることが一般的でした。SWIFT(スイフト)と呼ばれる国際送金ネットワークを利用して手続きを行う必要があり、これに対して高い手数料を支払う必要があるのです。

さらに、インフレが進行している国々や金融システムにアクセスできない地域では、法定通貨の代替手段としての利用が見込まれます。

たとえば、アフリカや南米の一部のように、金融インフラが未整備な地域で銀行口座を持たない人々が、スマートフォンで仮想通貨ウォレット仮想通貨取引所アプリで送金、保管が手軽かつ安定的に行えるのです。自国通貨が不安定な地域では、自国通貨よりも米ドルの価値に裏付けられたステーブルコインを保有した方が、安全に資産を保全できると考えるのも頷けます。

Web3や分散型金融(DeFi)の発展による普及拡大

ステーブルコインの普及が進むもうひとつの大きな要因は、Web3や分散型金融(DeFi)の発展です。

DeFiは、中央集権的な金融機関を介さずに金融サービスを提供する仕組みであり、安定性の高いステーブルコインはその中で重要な役割を果たします。たとえば、ステーブルコインを使ったレンディングや、資産運用流動性提供などがDeFiの世界で行われています。

分散型金融の拡大に伴い、今後さらに多くのプラットフォームでステーブルコインが利用されると予想されています。日本においても、2023年の資金決済法改正を契機に、法整備が進む中で安全で便利な金融ツールとして需要が高まりが期待できるでしょう。

規制強化による影響を受ける可能性

ステーブルコインは、今後さらなる規制の対象となる可能性も否定できません。

とくに、発行体が実際にどれだけ法定通貨を担保として保持しているのか、またその透明性がより重要視されるでしょう。ステーブルコインの発行者に対して、透明性や準備金の管理について厳格な規制が求められる可能性は高く、これがステーブルコインの成長にどのように影響するかは不透明です。

価格変動が安定しているため大きなリターンは期待薄

ステーブルコインは、価格の安定性が最大の特徴です。この安定性がゆえに、大きなリターンを狙う投資対象としては適さないといえるでしょう。価格のボラティリティが小さいため、投資家にとっては値上がり益を得る機会が少ないのです。

そのため、ステーブルコインは主にリスク回避型の資産として利用されることが多く、リターンを狙う投資家にはあまり向いていません。ただし、安定した価値を持つため、仮想通貨(暗号資産)市場の中で資産を一時的に避難させる手段としては有効です。

ステーブルコインのよくある質問

FAQ

ここまで読み進めれば、ステーブルコインの基礎は十分理解できたといえるでしょう。最後にステーブルコインに関するよくある質問を紹介しましょう。

ステーブルコインはどのようなものか簡単に教えて

ステーブルコインは、法定通貨やほかの資産と連動することで、価値の安定を図る暗号資産です。たとえば、USDT(テザー)USDC(USDコイン)は、米ドルにペッグ(連動)されており、その価値は1USDT=1米ドルというレートでほぼ一定に保たれます。これにより、ビットコインやイーサリアムのような価格の激しい変動を避け、より安定した通貨として利用できるメリットがあります。

国内取引所で入手できるステーブルコインは?

日本国内の主要取引所で購入できるステーブルコインは、DAI(ダイ)のみです。USTDやUSDCを入手するためには、海外の仮想通貨取引所の解説が必要です。(2025年1月現在)

ただし、2025年の春頃に、SBI VCトレードにおいてUSDC(USDコイン)の取り扱いが開始される旨、予告リリースが出されています

ステーブルコインは日本で普及するの?

日本におけるステーブルコインの普及は、今後さらに進むと予想されています。その理由は以下の3つです。

1.送金・金融サービスでの利用

ステーブルコインは、従来の銀行送金に比べて手数料が安く、送金スピードも速いため、国際送金やオンラインでの取引にも利用されています。とくに海外への送金が多い利用者にとって、ステーブルコインは便利な選択肢となります。

2.決済手段としての需要

ステーブルコインは法定通貨に連動しているため価格が安定しており、取引所やオンラインショップでの決済手段として利用される機会が増えています。今後は暗号資産を使用した決済を受け入れる店舗が増加し、ステーブルコインを利用する場面が増えることが考えられます。

3.規制環境の整備

国は仮想通貨(暗号資産)に対する規制を強化しつつありますが、ステーブルコインについても規制の枠組みが整備されはじめています。投資家や利用者が安心して利用できる環境の整備が、ステーブルコインの普及を加速させる要因となるでしょう。

まとめ

ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨やその他資産を担保とすることで、価格の急激な変動を抑えた仮想通貨(暗号資産)として注目されています。今後、ビットコインを代表とする仮想通貨が注目を集める中で、国際送金や分散型金融(DeFi)など、実用的なコインとして今後の需要拡大が見込まれます

価格の安定性が高いことや低コストの国際送金、資産保全の手段として優れた特性をもつことは、これから仮想通貨(暗号資産)を始める方にとって、ステーブルコインは非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。

ステーブルコインを購入するには、まずは信頼できる仮想通貨取引所で口座を開設することが必要です。初心者でも簡単に口座開設できますので、ぜひこの機会に仮想通貨の可能性を体験してみましょう。

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